メタルクラウド

硬化肉盛用TIG溶接棒

銘柄 該当規格
JIS
AWS
端面
色別
使用特性および用途 溶接棒の化学成分一例(%) 溶着金属硬さ一例 製造寸法
(mm)
C Si Mn Ni Cr Mo W HV HRC HS
KH-450R ERFe-2 ビッカース硬さ450程度の溶着金属が得られるTIG用溶接棒で、耐熱性に優れ溶接後の熱処理に対しても軟化が少なく、硬度が安定します。窒化処理により、表面硬度を上げることが可能です。
一般的には、150℃以上の予熱が必要です。
プラスチック成型機のスクリュー、鍛造金型などの肉盛溶接。
0.26 0.78 2.25 2.24 0.75 溶接のまま 1.6
2.4
3.2
60
~66
450
~500
45
~49
V
0.34           600℃焼戻し処理
370
~420
38
~43
51
~57
KH-650R ERFe-3 耐熱鋼SUH1、SUHI1に相当するTIG用溶接棒で、溶接のままでHV650程度の高硬度が得られます。耐ワレ性と靭性が優れているため冷間および熱間における耐衝撃摩耗に適しています。一般に200℃以上の予熱とパス間温度の保持が必要です。
打抜型、シャー、ダイス、鍛造金型などの肉盛溶接。
0.48 1.79 0.44 7.92 1.6
2.0
2.4
3.2
       溶接のまま
580
~650
54
~58
72
~78
KH-600ZR すみれ 予熱が十分に、あるいは下盛溶接ができない焼入硬化部の肉盛補修に適したTIG溶接棒で、耐ワレ性が良好で、常温から高音域での耐衝撃摩耗に優れています。
材質や形状により、100~300℃の予熱を行って下さい。
SKD11など工具鋼の焼入金型、ダイスの肉盛補修溶接。
0.38 0.46 0.05 0.1 8.7 1.23 9.95 1.6
2.0
2.4
3.2
溶接のまま
640
~680
57
~59
77
~80
    580℃×2hrSR
530
~560
51
~53
68
~71
KS-420R YS420 高炭素13%Crのマルテンサイト系ステンレス鋼。自硬性が大きく、溶接のままでHV500以上の硬度が得られ、耐熱性と耐食性も良好です。一般に200℃以上の予熱が必要です。

バルブ、プレス金型、シャーなどの肉盛溶接。PD555やHPM38など耐食鏡面仕上げ用プラスチック金型の肉盛溶接

0.30
~0.40
≦0.6 ≦0.6 120
~140
≦0.5 1.2
~5.0
       溶着のまま
500
~550
49
~53
66
~71
≦0.5
ER420 600℃×2hrSR
300
~360
33
~36
46
~50
KH-1341R なし 13Cr-4Ni-Mo系のオーステナイトを含むマルテンサイト組織の溶着金属が得られるTIG用溶接棒で、耐ワレ性がよく耐熱耐食耐摩耗性ならびに耐ヒートクラック性に優れています。
200~250℃の予熱とパス間温度の保持が必要です。
バルブ、水車ライナーなどニッケルを含む13%Cr鋼の溶接や鍛造金型の肉盛溶接。
0.04 0.33 0.48 4.33 11.93 0.51 1.2
1.6
2.0
2.4
3.2
4.0
5.0
溶接のまま
370
~410
38
~42
51
~56
600℃×2hrSR
290
~320
29
~32
41
~45
KMS-1R 18%Niのマルエージング鋼のTIG用溶接棒で
耐ワレ性と靭性に優れ、機械加工性が良好です。機械加工後、時効処理(450~500×2~3hr)を行う」ことにより、HV500程度の高い硬度が得られます。100kgf/mm2を越える高張力鋼や合金工具鋼の溶接にも適用できます。

一般的には150℃程度の予熱で肉盛溶接ができますが、特殊鋼の場合は300℃以上の予熱と徐冷が必要です。

MASIやYAG300などマルエージング鋼の溶接。鍛造金型、ダイカスト金型などの肉盛溶接ならびに特殊鋼の溶接。

≦0.03 ≦0.10 ≦0.10 18.00
~19.00
4.50
~5.50
Co
8.50
~9.50
AI
0.05
~0.15
Ti
0.50
~1.00
1.0
1.2
1.6
2.0
2.4
3.2
4.0
5.0
    溶接のまま
350
~400
35
~40
48
~55
500℃×3hr時効処理
450
~500
45~55 60~66
KHT-80R なし Ni-Cu-Al-Fe系時効硬化型の溶着金属が
得られるTIG用溶接棒で機械加工後500℃位の低温で時効硬化し、耐摩耗性が向上します。機械加工性に優れ鏡面加工性、放電加工性、シボ加工性も良好です。KHT-100RはCrを含むため耐発鎮性も発揮します。

一般に150℃程度の予熱が必要です。

NAK55、NAK80、HPM1、CENA1などの精密プラスチック金型の肉盛溶接。

0.08 0.3 1.53 3.12 0.18 0.26 Cu
0.92
溶接のまま  
Cu
0.92
Al
0.93
S
0.001
300
~350
30~35 42~48
500℃×5hr時効処理
380
~420
39~43 52~57
1.2
~3.2
KHT-100R なし 0.05 0.45 0.28 3.16 5.62 0.66
Cu Al
0.91
溶接のまま
0.85 370
~410
38~42 50~56
KCH-2R
(KCH-2M)
鋳鉄金型にニッケル系溶接棒で下盛する必要がなく、直接肉盛りできるTIG用溶接棒で、2層目から硬度が高くなり、3層目から安定した高硬度が得られる耐摩耗性を発揮します。(KCH-2Mは同一成分系のMIG溶接ワイヤです)一般的に100~150℃の予熱を行うと亀裂防止に効果があります。
鋳鉄金属の直盛補修用。
0.02 0.63 1.3 6.22 5.64 0.67
2層目 1.2
~3.2
400
~450
41~46 55~62
3層目 MIG
1.2
450
~500
45~50 60~67
KH-T4R なし 合金工具鋼SKT4系合金のTIG用溶接棒で
耐ワレ性と靭性ならびに耐ヒートクラック性が良好で熱間衝撃摩耗に適しています。

250℃以上の予熱と徐冷が必要です。
SKT4、6の熱間金型治工具類の肉盛溶接。

0.21 0.45 1.5 2.78 1.85 0.72 V
0.21
溶接のまま 1.6
~3.2
370
~400
38~41 51~55
580℃×2hrSR
340
~380
34~39 47~52
DS-4R 合金工具鋼SKD4に相当するTIG溶接棒で、耐亀裂性と耐熱耐摩耗性に優れています。550~580℃の焼戻処理で二次硬化を示し、軟化抵抗が大きく、620℃程度までの後熱処理では硬度の低下がありません。
耐ヒートクラック性と高温特性が良好で熱間工具類の肉盛溶接に適しています。

ワレ防止のため、300℃以上の予熱とパス間温度の保持が必要です。

鍛造金型、ダイス、シャーなどの肉盛溶接。

0.25
~0.35
≦0.40 ≦0.60 2.00
~3.00
W
5.00
~6.00
V
0.30
~0.50
溶接のまま
420
~450
43~45 57~60
1.6
2.0
2.4
3.2
4.0
580℃×2hr SR
460
~490
46~48 60~63
610℃×2hr SR
410
~430
42~44 56~58
DS-11R 合金工具鋼SKD11に相当するTIG用溶接棒で、溶接のままの状態では硬度が安定しない場合がありますが、溶接後所定の熱処理を行うことにより、優れた硬度と耐衝撃摩耗性が得られます。耐熱性も良好ですが、主に冷間工具鋼の肉盛に適しています。
300℃以上の予熱とパス間温度の保持が必要です。
精密打抜型、冷間シャー、成型ロールなどの肉盛溶接。
1.04
~1.6
≦0.40 ≦0.60 ≦0.50 11.0
~13.0
0.80
~1.20
溶接のまま 1.2
1.6
2.0
2.4
3.2
V
0.20
~0.50
370
~470
38~47 51~63
1050℃焼入れ
700
~780
60~63 83~87
DS-61R ERFe-8 合金工具鋼SKD61に相当するTIG用溶接で、
耐ワレ性や靭性が良好で、溶接のままでも優れた硬度と耐衝撃摩耗性を示します。耐熱性に優れ、主に熱間工具鋼の肉盛に適していますが冷間の耐金属摩耗にも適用できます。

ワレ防止のため、300℃以上の予熱とパス間温度の保持を行って下さい。
熱間ダイス、シャー、ダイカスト金型、鍛造金型などの肉盛溶接。

0.32
~0.42
0.80
~1.20
≦0.50 ≦0.25 1.2
1.6
2.0
2.4
3.2
4.0
5.0
V
0.80
~1.20
溶接のまま
4.50
~5.50
1.00
~1.50
570
~630
54~57 72~77
HS-9R ERFe-6 高速度工具鋼SKH51に相当するTIG用溶接棒で、常温および高温における金属間の衝撃摩耗に優れています。溶接のままでも高硬度と耐衝撃性が得られますが、溶接後550℃で焼戻し処理を行うと更に性能が向上します。
ワレ防止のため、300℃以上の予熱とパス間温度の保持を行ってください。
精密打抜型、冷間鍛造金型、切削バイト、シャー、熱間鍛造金型、熱間押出ダイスなどの肉盛溶接。
0.80
~0.90
≦0.40 ≦0.40 3.80
~4.50
4.50
~5.50
W
5.50
~6.70
溶接のまま 1.6
2.0
2.5
3.2
4.0
V
1.60
~2.20
650~
740
58~62 78~84
550℃焼戻し処理
750
~850
62~65 85~91
ページ上部へ戻る