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アルミニウムの機械的性質、用途及び説明

材質 形状 規格 調質 引張強さ(N/㎟) 耐力(N/㎟) 伸び(%) ブリネル硬さ(HBS10/500) 比重(g/cm3) 用途 説明
純アルミ A1070 丸棒 Φ2~Φ10 BD-H14 100 90 15 26 2.72 LED照明部品、キッチン・家具、バイオ、医療機器、印刷、健康器具、建築・建材、工作機械、照明、食品関連、太陽光関連、電気製品、風力発電、防水部材、免震装置部品、輸送機器 AL純度99.7%以上の純アルミ丸管で、加工性、耐食性、溶接性、表面処理性、電気熱伝導性に優れている。
強度が低いため構造材には適さないが、反射性、導電性などの特性を生かして装飾品、各種容器、放熱材などに使用されている。
Φ11~Φ90 BD-F
Φ100~Φ160 BD-H112
丸パイプ BD-T4
A1100 板材 H14 125 115 9 75
Al-Cu系 A2011 六角棒 T3 380 295 13 95 ねじ類、ギヤー部品、リベット類、航空宇宙機器、油圧部品、ゴム成形用金型、船舶用材、航空機機材、ボルト材、スピンドル等 通称17S(ジュラルミン)と呼ばれるAl-Cu合金で、耐食性、溶接性は劣るが、強度が高く、切削加工性も良好。
52Sについで需要が多い。
T8 405 310 10 100
A2017 丸棒 BD-T4 425 275 20 105 2.77
板材
A2024 丸棒 BD-T4 470 325 17 120 2.77
板材
Al-Mg系 A5052 丸棒 Φ3~Φ30 BD-H14 260 215 10 68 2.68 船舶、車両、建築用内外装、缶エンド、カメラ鏡胴、アルミホイール、化学プラント、圧力容器、板金製品等 通称52Sと呼ばれるAl-Mg合金で、アルミ合金棒の代表品。中程度の強度を持ち耐食性、溶接性に優れている。
Φ32~Φ85 BD-F
Φ90~Φ360 BE-H112
板材
アングル
A5056 丸棒 Φ4~Φ60 BD-H34 415 345 13 100 2.72 通称56Sと呼ばれるAl-Mg合金で、52Sよりも多少Mgの量を多くして強度を高めている。
耐食性、切削加工性、アルマイト性が良好で、光学部品、一般機械部品に広く使われており、アルミ合金棒の中で最も汎用性の高い商品。
板材 Φ61~Φ360 H112
A5083 H321、H116 315 230 14 2.66 通称83Sと呼ばれるAl-Mg合金で、強度、耐食性(特に耐海水性) 溶接性に優れている。
LNG船、船舶構造材、溶接構造材、一般機械部品などに用いられる。
Al-Mg-Si系 A6061 板材 T4、T451 240 145 22 65 2.7 建築用材、高欄、ガードレール、船舶、車軸、陸上構造物、家具、家電製品、自動車部品、半導体製造装置等 61S丸棒(Al-Mg-Si合金)は熱処理型の耐食性合金です。
強度と耐食性が高いバランスのとれた商品です。
A6063 丸棒 O 90 50 25 2.69 通称63Sと呼ばれるAl-Mg-Si合金の平角棒で、耐食性、アルマイト性に優れた構造用材料。
丸パイプ
アングル
チャンネル
フラットバー
平角パイプ
Al-Zn-Mg-Cu系 A7075 丸棒 O 230 105 17 60 スポーツ用品(金属バット・スキーストック)、オートバイリム、航空機機材、各種金型等 7000系のAl-Zn-Mg合金で、最高の強度を持つ合金の1つ。
板材 T6、T651 570 505 11 150
鉛フリーアルミ 2000系 丸棒 420 320 15 60 機械部品等の切削加工品等 環境に対する配慮から、鉛、ビスマスを添加した従来の快削合金(A2011相当)と違い、すず、ビスマスを添加することで従来の快削合金と同等以上の切削性と表面処理性を有しています。
6000系 0.31 270 14 150

JIS規格質別用語- (JISH0001) ※日本工業標準調査会ご参照

基本記号 定義 意味
F 製造のままのもの 加工硬化又は熱処理について特別の調整をしない製造工程から得られるもの。(特に調質の指定なく製造された状態を示す。押出しのまま、鋳放しのままで調質をうけない材料がこれにあたる。)
O 焼なましにより最も軟らかい状態となったもの 焼なましにより完全に再結晶した状態を示す。熱処理合金の場合は、焼なまし温度より緩やかな冷却を行い、焼入れの効果を完全に防止することが必要である。鋳物では、伸びの増加又は寸法安定化のために施される。
H 加工硬化したもの 適度の軟らかさにするための追加熱処理の有無にかかわらず、加工硬化によって強さを増加したもの。
W 溶体化処理したもの 溶体化処理後、常温で自然時効する合金だけに適用する不安定な質別。 
T 熱処理によってF・O・H以外の安定な質別にしたもの  安定な質別にするため、追加加工硬化の有無にかかわらず、熱処理をしたもの。
HX細分記号 意味
H112 展伸材においては積極的な加工硬化を加えずに、製造されたままの状態で機械的性質の保証されたものを示す。 
H1 加工硬化だけのもの:
所定の機械的性質を得るために追加熱処理を行わずに加工硬化だけしたもの。
H2 加工硬化後適度に軟化熱処理したもの:
所定の値以上に加工硬化した後に適度の熱処理によって所定の強さまで低下したもの。常温で時効軟化する合金については、この質別はH3質別とほぼ同等の強さをもつ。そのほかの合金については、この質別は、H1質別とほぼ同等の強さもつが、伸びは幾分高い値を示す。
H3 加工硬化後安定化処理したもの:
加工硬化した製品を低温加熱によって安定化処理したもの。その結果、強さは幾分低下し、伸びは増加する。 この安定化処理は、常温で徐々に時効軟化するマグネシウムを含む合金にだけ適用する。
H4 加工硬化後塗装したもの:
加工硬化した製品が塗装の加熱によって部分やきなましされたもの。 
HXY細分記号 意味 参考
HXY HX1 引張強さがOとHX2の中間のもの。 1/8硬質
HX2 引張強さがOとHX4の中間のもの。  1/4硬質
HX3 引張強さがHX2とHX4の中間のもの。 3/8硬質
HX4 引張強さがOとHX8の中間のもの。 1/2硬質
HX5 引張強さがHX4とHX6の中間のもの。 5/8硬質
HX6 引張強さがHX4とHX8の中間のもの。  3/4硬質
HX7 引張強さがHX6とHX8の中間のもの。 7/8硬質 
HX8 通常の加工で得られる最大引張強さのもの。引張り強さの最小規格値は原則としてその合金の焼きなまし質別の引張り強さの最小規格値を基準に表(4)によって決定される。 硬 質
HX9 引張強さの最小規格値がHX8より10N/平方mm以上超えるもの。 特硬質
意味
T3 溶体化処理後冷間加工を行い,さらに自然時効させたもの。
(溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,さらに十分に安定な強度まで自然時効させたもの。)
T351、T3511 溶体化処理後冷間加工を行い,残留応力を除去し,さらに自然時効させたもの。
(溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去した後,
さらに自然時効したもの。)
T361 T3の断面減少率を6%としたもの。
T4 溶体化処理後,自然時効させたもの。
(溶体化処理後冷間加工を行わず,十分に安定な状態まで自然時効させたもの。
したがって,矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。)
T42 T4の処理を使用者が行ったもの。
T45、T4511 溶体化処理後残留応力を除去し,さらに自然時効させたもの。
(溶体化処理後,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し,さらに自然時効させたもの。)
T5 高温加工から冷却後人工時効硬化処理したもの。
(鋳物または押出材のように高温の製造工程から冷却後積極的に冷間加工を行わず,人工時効硬化処理したもの。
したがって,矯正してもその冷間加工の硬化が小さいもの。)
T5E T5処理の人工時効の時間を短く,温度を低くして亜時効処理したもの。
曲げ加工をするもので,T1では強度不足のものに適用する。(当事者間の協定による調質)
T6 溶体化処理後人工時効硬化処理したもの。
(溶体化処理後積極的に冷間加工を行わず,人工時効硬化処理したもの。
したがって,矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。)
T62 T6の処理を使用者が行ったもの。
T65、T6511 溶体化処理後残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。
(溶体化処理後,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。)
T7 溶体化処理後安定化処理したもの。
(溶体化処理後特別な性質に調整するため,最大強さを得る人工時効硬化処理条件を超えて過剰時効処理したもの。)
T73 溶体化処理後過時効処理したもの。(溶体化処理後耐応力腐食割れ性を最大にするため過時効処理したもの。) 
T74 溶体化処理後過時効処理したもの。
(溶体化処理後耐応力腐食割れ性を調整するためT73とT76の中間の過時効処理したもの。)
T76 溶体化処理後過時効処理したもの。
(溶体化処理後耐はく離腐食性をよくするために過時効処理したもの
T8 溶体化処理後冷間加工を行い,さらに人工時効硬化処理したもの。
(溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,さらに人工時効硬化処理したもの。)
T83 T8の断面減少率をほぼ3%としたもの。 
T851 溶体化処理後冷間加工を行い,残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。
(溶体化処理後,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。)
T861 T361を人工時効硬化処理したもの。 
T9 溶体化処理後人工時効硬化処理を行い,さらに冷間加工したもの。
(溶体化処理後人工時効硬化処理を行い,強さを増加させるため,さらに冷間加工したもの。)

※ 日本工業標準調査会ご参照

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