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プリハードン鋼の機械的性質、用途及び説明

プリハードン鋼 形状 機械的性質 化学成分(wt%) 用途 主な特徴
比重(g/cm³) 熱伝導率 W/m・K 硬さ(HRC) 熱膨張係数 ×10-6/K C Si Mn Ni Al Cu Mo S
NAK55 丸棒 7.8 300℃ 42.7 37~43HRC 20~300℃ 13.4 0.15 0.3 適量 3.0 1.0 1.0 0.3 適量 精密型に適した、使い易いプラスチック金型用鋼 被削性が極めて良好です。
37~43HRCの硬さですが、その被削性は33HS
(18HRC近似)のS53Cとほぼ同等で、30HRCの
SCM440より遙かに優れています。
NAK55 板材
NAK80 丸棒 7.8 300℃ 42.7 ≧12 20~300℃ 13.4 0.12 0.35 1.8 3.2 1.0 1.0 0.2-0.50 高鏡面・高性能プラスチック金型用鋼 NAK55の鏡面みがき性、放電加工肌、靭性を改善、NAK55に比べ、さらに次の特長を有しております。
NAK80 板材

JIS規格質別用語- (JISH0001) ※日本工業標準調査会ご参照

基本記号 定義 意味
F 製造のままのもの 加工硬化又は熱処理について特別の調整をしない製造工程から得られるもの。(特に調質の指定なく製造された状態を示す。押出しのまま、鋳放しのままで調質をうけない材料がこれにあたる。)
O 焼なましにより最も軟らかい状態となったもの 焼なましにより完全に再結晶した状態を示す。熱処理合金の場合は、焼なまし温度より緩やかな冷却を行い、焼入れの効果を完全に防止することが必要である。鋳物では、伸びの増加又は寸法安定化のために施される。
H 加工硬化したもの 適度の軟らかさにするための追加熱処理の有無にかかわらず、加工硬化によって強さを増加したもの。
W 溶体化処理したもの 溶体化処理後、常温で自然時効する合金だけに適用する不安定な質別。 
T 熱処理によってF・O・H以外の安定な質別にしたもの  安定な質別にするため、追加加工硬化の有無にかかわらず、熱処理をしたもの。
HX細分記号 意味
H112 展伸材においては積極的な加工硬化を加えずに、製造されたままの状態で機械的性質の保証されたものを示す。 
H1 加工硬化だけのもの:
所定の機械的性質を得るために追加熱処理を行わずに加工硬化だけしたもの。
H2 加工硬化後適度に軟化熱処理したもの:
所定の値以上に加工硬化した後に適度の熱処理によって所定の強さまで低下したもの。常温で時効軟化する合金については、この質別はH3質別とほぼ同等の強さをもつ。そのほかの合金については、この質別は、H1質別とほぼ同等の強さもつが、伸びは幾分高い値を示す。
H3 加工硬化後安定化処理したもの:
加工硬化した製品を低温加熱によって安定化処理したもの。その結果、強さは幾分低下し、伸びは増加する。 この安定化処理は、常温で徐々に時効軟化するマグネシウムを含む合金にだけ適用する。
H4 加工硬化後塗装したもの:
加工硬化した製品が塗装の加熱によって部分やきなましされたもの。 
HXY細分記号 意味 参考
HXY HX1 引張強さがOとHX2の中間のもの。 1/8硬質
HX2 引張強さがOとHX4の中間のもの。  1/4硬質
HX3 引張強さがHX2とHX4の中間のもの。 3/8硬質
HX4 引張強さがOとHX8の中間のもの。 1/2硬質
HX5 引張強さがHX4とHX6の中間のもの。 5/8硬質
HX6 引張強さがHX4とHX8の中間のもの。  3/4硬質
HX7 引張強さがHX6とHX8の中間のもの。 7/8硬質 
HX8 通常の加工で得られる最大引張強さのもの。引張り強さの最小規格値は原則としてその合金の焼きなまし質別の引張り強さの最小規格値を基準に表(4)によって決定される。 硬 質
HX9 引張強さの最小規格値がHX8より10N/平方mm以上超えるもの。 特硬質
意味
T3 溶体化処理後冷間加工を行い,さらに自然時効させたもの。
(溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,さらに十分に安定な強度まで自然時効させたもの。)
T351、T3511 溶体化処理後冷間加工を行い,残留応力を除去し,さらに自然時効させたもの。
(溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去した後,
さらに自然時効したもの。)
T361 T3の断面減少率を6%としたもの。
T4 溶体化処理後,自然時効させたもの。
(溶体化処理後冷間加工を行わず,十分に安定な状態まで自然時効させたもの。
したがって,矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。)
T42 T4の処理を使用者が行ったもの。
T45、T4511 溶体化処理後残留応力を除去し,さらに自然時効させたもの。
(溶体化処理後,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し,さらに自然時効させたもの。)
T5 高温加工から冷却後人工時効硬化処理したもの。
(鋳物または押出材のように高温の製造工程から冷却後積極的に冷間加工を行わず,人工時効硬化処理したもの。
したがって,矯正してもその冷間加工の硬化が小さいもの。)
T5E T5処理の人工時効の時間を短く,温度を低くして亜時効処理したもの。
曲げ加工をするもので,T1では強度不足のものに適用する。(当事者間の協定による調質)
T6 溶体化処理後人工時効硬化処理したもの。
(溶体化処理後積極的に冷間加工を行わず,人工時効硬化処理したもの。
したがって,矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。)
T62 T6の処理を使用者が行ったもの。
T65、T6511 溶体化処理後残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。
(溶体化処理後,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。)
T7 溶体化処理後安定化処理したもの。
(溶体化処理後特別な性質に調整するため,最大強さを得る人工時効硬化処理条件を超えて過剰時効処理したもの。)
T73 溶体化処理後過時効処理したもの。(溶体化処理後耐応力腐食割れ性を最大にするため過時効処理したもの。) 
T74 溶体化処理後過時効処理したもの。
(溶体化処理後耐応力腐食割れ性を調整するためT73とT76の中間の過時効処理したもの。)
T76 溶体化処理後過時効処理したもの。
(溶体化処理後耐はく離腐食性をよくするために過時効処理したもの
T8 溶体化処理後冷間加工を行い,さらに人工時効硬化処理したもの。
(溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,さらに人工時効硬化処理したもの。)
T83 T8の断面減少率をほぼ3%としたもの。 
T851 溶体化処理後冷間加工を行い,残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。
(溶体化処理後,永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し,さらに人工時効硬化処理したもの。)
T861 T361を人工時効硬化処理したもの。 
T9 溶体化処理後人工時効硬化処理を行い,さらに冷間加工したもの。
(溶体化処理後人工時効硬化処理を行い,強さを増加させるため,さらに冷間加工したもの。)
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